【書評】ポストモーテム みずほ銀行システム障害 事後検証報告

概要 仕事で金融系のシステムに関わることになったが金融系の知識などまったくない。でも教科書的な書籍を読んで1から体系的に金融のことを勉強するのはダルい。 そんなおりに本書を発見した。 「これ読んだらシステム開発について理解を深めながら自然と金融の知識も学ぶことが出来て一石二鳥じゃん!」と思い即購入。 #PR ポストモーテム みずほ銀行システム障害 事後検証報告 楽天 感想 正直、途中で飽きた。 基本的には実際にあった出来事を淡々と追っていくスタイルの書籍なので、物語性は薄めで読み物としては面白さに欠ける。まあ、ノンフィクションって普通そういうもんなんだろうけど。 なんとなくシステム障害の裏には人間ドラマのようなものがあるんじゃないかと思いこんでいたが、実際には事前の準備の不足やビジネス層と技術層のコミュニケーション不足といった至って普通の問題が積み重なって起きた障害だった。 しかし、世の中で生じるシステム障害というのは大抵こんなもんなのかもしれない。明日は我が身ですな。 個人的には巻末にあるCIOのインタビュー記事が一番血肉の通った内容で面白かった。 あと「見逃し三振はOKだが、空振り三振はNG」(アラートをあげなくて良い場面でアラートをあげるのはOKだが、アラートをあげるべき場面でアラートをあげないのはNGの意)という標語は分かりやすくて良いなと思った。似たようなことは現場でもよく言われるが、こういう分かりやすい標語で言語化されると実践しやすい。 ちなみに本書は金融の知識とITの知識の両方がないと割と理解が難しいので専門外の方は安易に手を出さないことをおすすめする。

2025-10-26

リモートワーク推進派のポジショントークだなと思う発言2選

概要 まず始めに言っておくが、リモートワークが悪だとは全く思っていない。 子育てや介護といったどうしても出社できない事情がある人にとって、リモートワークは働き方の多様性を広げる素晴らしい制度だと思うし、仮にそういう特殊な理由がなく「満員電車に乗りたくないのでリモートワークをしたい」等の主張も全然ありだと個人的には思っている。 ただ、リモートワークの利便性を享受するならリモートワークによって生じる弊害には全力で対処すべきだと思うし、極論リモートワークによってパフォーマンスが下がったのなら評価にバツがつくことは甘んじて受け入れるべきだと思っている。大いなる力には大いなる責任が伴うというやつだ。 昨今のSNSを見ているとリモートワークの自由さだけを享受して、その自由さの裏にある責任からは逃れようとするポジショントークがあまりに多いと感じる。 こういったポジショントークを目にすると、「ああ、この人はただサボりたいだけなんだな」と正直思ってしまう。 今回はそういった類の発言を2つ紹介したい。 発言1. リモートワークでサボるやつは出社でもサボる 要するにリモートワークでサボるような人間はどうせ出社してもサボっているんだから、リモートワークを推進したところでサボりは増えないという主張だ。 これは本当におかしい主張だと思う。 出社で30%サボる人がリモートワークでは70%サボるなんてこと全然あり得る話で、それはリモートワークによってサボりが増えたと同義だろう。 サボる・サボらないというのは0か100かみたいな話ではなくグラデーションの話なのだ。 アン・ミカも「サボりって200種類あんねん」と言っていた。 すこし考えたら誰でもおかしいと分かる詭弁だと思うのだが、SNSではこういう類の発言をよく見るしかなり支持もされている。 発言2. 出社すると話しかけられて効率が悪い 要するに出社すると人から質問とか相談をされて業務が中断されるから、リモートワークの方が効率が良いという主張だ。 これはマクロな目線で見たら事実だと思う。仕事が中断されないほうが効率が良いに決まっている。 ただ、それによって話しかけた側は仕事を進めるためのしかるべき情報を得られる訳で、全体で見たときには効率が上がっているということがほとんどなんじゃないだろうか。 知りたい情報を得られずにタスクが完全に止まってしまう人間が存在している方がよっぽど効率が悪いだろう。 この発言はあまりにも視点が自分本位すぎるし、部分最適に執着しすぎていると感じる。 仮に雑談が多くて仕事が中断されるとかなら、問題の本質は出社ではなくその会社の文化にあるだろう。 まとめ 普通こういうのって無理やりひねり出してでも3選にするよな。

2025-10-12

【書評】パスキーのすべて

概要 パスキーのことを知りたいと思って購入。 #PR パスキーのすべて ── 導入・UX設計・実装 楽天 感想 良い点 まず、内容がわかりやすい。 難しい説明を極力使わずに内容をかみ砕いて説明してくれている。 ユースケースや実装例も豊富で、巷で見かけるパスキーのユースケースは一通り網羅されていると思う。 ユーザーがパスキーを紛失したときの対処法など、実務で考慮すべきポイントもしっかりと押さえられている。 第8章ではやや専門的な内容も扱っており、パスキーを深堀りしたい読者にも満足できる内容になっている。 全体的に丁寧で自分のような初心者にはおすすめの一冊だと思う。 微妙な点1. 内容が不足している部分がある 自分は実務でパスキーを実装するにあたって本書を購入したのだが、実務ではしばしば本書に書かれていない知識を必要とする場面があった。 例えばapple-app-site-associationやassetlinks.jsonについては本書では触れられていないが、実務でモバイルアプリにパスキーを組み込もうと思ったらほぼ100%知っておかなければならない。 他にもブラウザでパスキーの動作確認をする方法なども本書では解説されていない。 ローカルでパスキーの動作確認をするときにはRP IDをlocalhostにしないといけないとか、デベロッパーツールから仮想認証機を有効化しないといけないとか、意外と罠が多い。 初心者は絶対引っかかるので(自分は引っかかった)、そういう部分の解説がもう少し豊富だったら良かったかなと思う。 微妙な点2. 索引が弱い 例えばclientDataJSONについて索引を引こうとして「C」のページを引いても、なぜか引っかからなかった。 結論から言うと以下のような索引になっていた。 【A】 AuthenticatorAttestationResponse … 129 attestationObject … 130 clientDataJSON … 130 clientDataJSONを引くために、AuthenticatorAttestationResponseを引く人なんているんだろうか? 単純な疑問なのだが、以下のような索引では駄目なんだろうか?行数は変わらない訳だし。 【A】 AuthenticatorAttestationResponse … 129 attestationObject … 130 【C】 clientDataJSON … 130 前者のほうが構造化されていて美しいという感覚は分かるが、別に索引が構造化されている必要は無い気がする。 出版に関する知識が皆無なので、もしかしたらこれは素人の意見なのかもしれない。 でも実際に業務で索引を引こうとして困ったのである。仮に出版業界ではこれが正しいのだとしても、自分は間違っていると思う。 総評 丁寧な内容で分かりやすい。 本書を読んで「全然意味がわからん」みたいになる人はほぼいないと思う。 一方で一部内容が不足している部分もありそうなので、適宜ネットで情報を補完しながら読むのがおすすめかなと思う。

2025-10-05

正直USキーボードの良さが分かっていない

概要 SNSを見ているとエンジニアの世界ではUSキーボードが異様に称賛されているように感じる。 自分自身は大学3年生まではJISキーボードを使っていて、研究室&1社目&2社目では支給されたUSキーボードを使っている。 どちらのキーボードも使った結果、JISキーボードの方が使いやすいと感じている。 この記事ではその理由を述べていく。 よく語られるUSキーボードの長所に対する疑問 まずは世間でよく語られるUSキーボードの長所に対する疑問を述べていく。 1. ショートカットキーが使いやすい 感じたことがない。 むしろ、後述する「かな・英数変換」のショートカットキーはとても使いにくいと感じる。 2. ホームポジションが崩れにくい 感じたことがない。 むしろ、後述する「かな・英数変換」で毎回ホームポジションが崩れる。 3. 表記がシンプルで見やすい キーボードの表記を気にしたことがない。 ただ、初学者にとっては確かに見やすいのかもしれない。 4. キーの配置が論理的で使いやすい キーの配置が論理的というのはその通りだと思う。 例えばJISキーボードでは「」は横並びで{}は縦並びだったりするが、USキーボードではどちらも横並びになっている。 ただ、キーの配置が論理的であることがメリットだとは個人的には思わない。 なぜなら我々は論理的に思考しながらキーを入力しているわけではなく、手癖でキーを入力しているからだ。 キー入力しているときに「{}は横並びだなー」なんて考えているやつはいないだろう。 もし論理的に考えながらキー入力をしているなら、研究室に入って初めてUSキーボードを使ったときにミスタイプしまくった思い出と整合性がつかない。 確かに初学者なら論理的な配置の方が覚えやすいというのはあるのかもしれないが、慣れてしまえばどちらでも同じだと思う。 USキーボードの悪いところ 1. かな入力と英数入力の切り替えが不便 正直この欠点で全ての長所は吹き飛ぶのではないかと思う。 例えばWindowsのUSキーボードだとCtrl + `というショートカットでかな入力モードと英数入力モードの切替ができるのだが、2つのキーの配置が遠すぎてめちゃくちゃ指がスカってしまう。 世間でよく語られている「ショートカットキーが使いやすい」や「ホームポジションが崩れにくい」といったUSキーボードの長所が仮に事実だったとしても、このCtrl + `という使用頻度S級にも関わらず超絶押しにくいショートカットが全てを破壊してしまう。 ちなみに、Macの^ + SpaceはCtrl + `よりはかなり押しやすいが、それでもたまにスカってしまう。 もう一つ大変なのは、Ctrl + `に冪等性がないということだ。 JISキーボードでかな入力をしたいときには、現在がどちらのモードであるかに関わらずかなキーを押しておけば良いのだが、USキーボードだと既にかな入力モードのときにCtrl + `を押してしまうと英数入力モードに切り替わってしまう。 したがってUSキーボードを使う場合は、現在のモードを常に記憶しておくか、モードの切替をする前にタスクバーを確認するという癖をつける必要がある。 これらはJISキーボードを使用しているときには意識する必要がないことだ。 USキーボードのこれらの欠点に対して、「レジストリをイジったり、『⌘英かな』のようなツールを使ってキー配置を新たに割り当てればいいじゃないか」という反論があるかもしれない。 ただ、セキュリティの要件の厳しいプロジェクトだと、レジストリをイジったり承認の無いツールを導入することができなかったりすることも多い。 そもそも、キー配置を割り当て直すことを良しとするなら、JISキーボードをUSキーボードのキー配列に変更することもOKになってしまうわけで、反論として成立しているかは微妙なところだ。 まとめ ぶっちゃけ、カッコつけでUSキーボードが良いと言っているエンジニアも多いんじゃないだろうか? 少しでも日本語を入力する機会がある人にとってはJISキーボードの方が楽なんじゃないだろうか?

2025-06-22

PyPIにパブリッシュしたら「File exceeds compression ratio of 50」というエラーが出る問題

概要 PyPIにパッケージをパブリッシュしようとしたら、以下のようなエラーが出てパブリッシュできなかった。 <html> <head> <title>400 Invalid distribution file. File exceeds compression ratio of 50</title> </head> <body> <h1>400 Invalid distribution file. File exceeds compression ratio of 50</h1> The server could not comply with the request since it is either malformed or otherwise incorrect.<br/><br/> Invalid distribution file. File exceeds compression ratio of 50 </body> </html> 間接的原因. なぜエラーが発生したのか? 解凍したときにファイルサイズが50倍以上に膨れ上がるzipファイルをアップロードしたことが原因だった。 ちなみに、解凍したらサイズが膨れ上がるようなファイルを利用してシステムをクラッシュさせるような攻撃をZip Bombと呼ぶらしい。全然知らなかった。 高圧縮ファイル爆弾 46MBが4.5PBへと膨れ上がるZIP爆弾がネット上で公開中 Zip Bombを防ぐために、PyPIでは2023年の6月頃から圧縮率50倍を超えるファイルを含むパッケージのパブリッシュを拒否するようになっているようだ。 最初は圧縮率10倍以上で弾いていたが、制限が厳しすぎるということで50倍以上に緩和されたらしい。 PyPI is now requiring wheels to be too much compressed ...

2025-06-21

Python製の麻雀ゲームの向聴数計算部分をC拡張で実装

概要 Pythonでkago-utilsという麻雀ゲームを作っている。 こいつの処理がもっさりしていたので、向聴数計算の処理をCで書き換えることによって速度を改善した。 背景 kago-utilsのゲームルーチンにバグがないかを検証するために、天鳳の牌譜を約60万半荘分流し込むという作業をしていた。 しかし、1半荘を終えるのに1秒程度かかっていたので、検証作業に非常に時間がかかっていた。 そこでyappiというツールを使って牌譜10半荘分のデータを流した時の各関数の実行時間を計測したところ、以下のようになった。 HaihuParser.runが一番外側の呼び出し関数で、これが350秒かかっている。 どうやらyappiの差し込みの処理が重いらしく、実際は10秒程度で終わっている処理に350秒程度かかってしまっているようだが、各関数の処理時間の比率自体はそこまで変わらないと想定して、どの関数がボトルネックになっているかを考えることにした。 この画像を見て分かる通り、向聴数の計算を行うcalculate_shantenに338秒かかっていて、これは全体の処理時間の96%程度を占めていることが分かる。 そこで、向聴数計算の処理だけをC拡張で実装して速度改善を図ることにした。 全部の実装をCで書き換えることができればベストなんだろうが、自分はCが書けないし、既にほぼ全てのコードを書き終えてしまっているので、今回は向聴数計算の部分だけをCで実装することで手打ちにした。 方法 正直、方法については調べればいくらでも情報は出るので、コードと細かいTipsだけを共有する。 _shanten.c Tips1. C vs C拡張 Cで実装するのにも2通りの方法がある。Cを直接呼び出す方法と、C拡張モジュールを使う方法だ。 Cを直接呼び出す方法は、ビルドしたCのコードをPythonから直接呼び出す方法だ。 そのため、PythonとCの間でデータをやり取りするためのコードを書く必要がある。 長所としては、PythonのコードとCのコードが疎結合になりやすいこと、特別な設定を必要としないことなどが挙げられる。 短所としては、PythonのデータをCのデータに変換する過程でオーバーヘッドが発生することなどが挙げられる。 C拡張モジュールを使う方法は、PythonのC APIを使ってCのコードをPythonのモジュールとしてビルドする方法だ。 長所としては、PythonのデータをほぼそのままCに渡せるので速度が早いことなどが挙げられる。 短所としては、CのコードとPythonのコードと密結合になること、Pythonから直接データを受け取るための専用の関数を覚える必要があること、Cのコードをビルドするためにsetup.pyの設定が必要になることなどが挙げられる。 今回はあまりメンテする必要がないこと、速度改善が最重要の目的であることなどからC拡張モジュールを使う方法を選択した。 Tips2. Python.hの場所 C拡張モジュールを使う場合、Python.hというヘッダーファイルをインクルードする必要がある。 ただビルドするだけならPythonが勝手にPython.hの場所を探してよしなにやってくれるのだが、もしエディタで補完の恩恵を受けたいならPython.hの場所をエディタに教えてあげる必要がある。 C拡張モジュールは専用の関数が多いので、補完が効かないと非常に不便だ。 Python.hのパスはターミナルでpython3 -c "from sysconfig import get_paths; print(get_paths()['include'])"のように実行すると取得できる。 VSCodeなら設定画面でC_Cpp.default.includePathに上記のパスを追加してやれば補完が効くようになる。ただしC/C++という拡張機能を入れておく必要がある。 Tips3. setup.pyの追加 拡張モジュールを使う場合、setup.pyというファイルを追加して、Cのコードをビルドするための設定を記述する必要がある。 自分の場合はsetup.pyのように現状ではシンプルな内容になっているが、色々なリポジトリを見て回った感じ、いくらでも複雑な構成にできそうだった。 怖いのであまり奥深くには立ち入らないことにする。 Tips4. .pyiを追加する .pyiを作成することでPythonのコードからC拡張モジュールのコードを呼び出すための型ヒントを追加することができる。 これを行うことでエディタのインテリセンスが効くようになので、やっておいて損はないだろう。 _shanten.pyi - GitHub Tips5. 【告白】 CのコードはほぼChatGPTに書かせた!!!! 自分はCが書けないので既存のPythonのコードをChatGPTに投げて、「C拡張に変換して」とお願いしたらほぼ完成形のCのコードを書いてくれた。 一部だけ修正して終了。 いい時代になった…。 結果 再度10半荘分の牌譜を流し込んで関数の処理時間を計測したところ以下のようになった。 向聴数計算が処理時間上位にランクインすることはなくなり、全体の処理時間も約13秒程度にまで短縮された。 またpytest-benchmarkの結果をGitHub ActionsでGitHub Pagesに自動デプロイの記事で解説したベンチマーク計測処理を向聴数の計算にも適用していたのだが、その結果は以下のようになった。 ...

2025-06-19

SSHログイン時にターミナルの配色を変更して本番環境でのミスを防ぐ

概要 自分はさくらのVPS上でKonbuやNBAMashのようなWebアプリを運用している。 最近、ローカルで操作しているつもりが実はVPS上で操作をしていて、うっかりコンテナを落としてしまうというミスを多発させてしまった。 そこで本番環境にSSHログインをした際にはターミナルの配色を変更して、視覚的に本番環境とローカル環境を差別化することで本番環境での誤操作を防ぐことにした。 方法 .bash_profileに以下のコードを追加した。 # ssh接続時に文字色と背景色を変更する関数 function ssh() { if [[ "$TERM_PROGRAM" == "vscode" ]]; then DEFAULT_COLOR="#CCCCCC" DEFAULT_BG_COLOR="#171717" elif [[ "$TERM_PROGRAM" == "Apple_Terminal" ]]; then DEFAULT_COLOR="#000000" DEFAULT_BG_COLOR="#FFFFFF" fi # SSH接続時に文字色と背景色を変える echo -ne "\033]10;#FFFFFF\007" echo -ne "\033]11;#330000\007" # 実際にsshを実行 command ssh "$@" # 接続終了後に元の文字色と背景色に戻す echo -ne "\033]10;${DEFAULT_COLOR}\007" echo -ne "\033]11;${DEFAULT_BG_COLOR}\007" } コードを順を追って説明する。 まずは以下のようなsshの関数を書くことで、デフォルトのsshコマンドを上書きする。 引数は$@で取得できるので、ssh 引数1 引数2 ...のように実行したら、関数の内部でもちゃんとssh 引数1 引数2 ...のように実行される。 # ssh接続時に文字色と背景色を変更する関数 function ssh() { (...中略...) # 実際にsshを実行 command ssh "$@" (...中略...) } 次にデフォルトの文字色と背景色を変数に格納する。 ...

2025-06-07

おまえのオールをまかせるな - 口出ししてくる人への対処法

概要 社会人になって気づいたのだが、社会にはやたらと上から目線で面倒な口出しをしてくる人がいる。 自分自身は特にリスクを背負うこと無く、その場の思いつきのアイデアを他人に投げかけて他人のリソースを消費させてしまうような人だ。 この記事ではそういった人に対する対処法を紹介する。 口出しを受け入れるかどうかの判定法 まずは口出しを受け入れるかどうかの判定法を紹介する。 自分の場合は2つの判断基準を設けている。 1つめは「口出ししてきた人が最終的な責任を負うのかどうか」だ。 口出しによって発生したタスクであなたが失敗した時に、口出ししてきた人が矢面に立って上長やクライアントに頭を下げるのならば、その口出しを受け入れても良い確率が高まる。 なぜなら最終的に責任を取ってくれる人の口出しは本気で現状を良くしようとしている可能性が高いからだ。 2つめは「口出ししてくる人がその人自身のリソースを消費するのかどうか」だ。 口出しした本人がそれによって多少なりともリソースを消費するのであれば、先程と同様にその口出しの本気度は高くなるので、受け入れても良い確率が高まる。 以上が個人的な口出しを受け入れるかどうかの判定法だ。 「責任」も「リソースの消費」も伴わない人の口出しは基本的に無視するように自分の中で基準を設定している。 逆にどちらか一方でも満たす人の口出しであれば、受け入れるかどうかは一考の余地があるのではないだろうか? 口出しする人への対処法 次に口出しを「受け入れない」と決めた場合に、どうやって対処するかを紹介する。 これも大きく2つの方法があると思う。 1つ目は「適当に返事だけしておいて無視する」という方法だ。 その場のノリで信念の伴わない場当たり的な口出しをする人は、時間の経過とともに自分が口出ししたことも自然と忘れてくれる可能性が非常に高い。 口出しする人が普段から適当な人なのであれば、忘れることに賭けて無視するというのは有効な手段だ。 2つ目は「相手を巻き込む」という方法だ。 つまり口出ししてきた相手に「責任」か「リソースの消費」を強いることで、相手を上記の基準を満たすような人間に無理やり変化させるということだ。 これは使い方を誤るとその人との関係が悪化しかねないが、上手く使えば効果は絶大だ。 例えば「あなたがそのタスクに本気で取り組むのなら私も手伝います」というように「あなたがやるなら私がやる」という分かりやすい構図を作るのだ。 この時に第三者も証人として巻き込んでおくとより効果的だ。 この構図を提示した時点で適当に口出ししてきた人の大半意見を引っ込めてくれる。 もし相手がこちらの圧に屈せず「やってやらあ!」となった場合もどうせ長続きはしないので、「あなたがやるなら私がやる」という構図を複数の第三者の意識に強く刷り込んでおくことで、相手がサボり始めたタイミングで自分も堂々とサボってフェードアウトできるようになる。 まとめ 「責任」も「リソースの消費」も伴わない人の口出しは必ずしも受け入れる必要はない。 受け入れたくない場合は「分かりました」と言いながら無視するか、相手を巻き込むことで大抵の場合は面倒事を回避できる。 中島みゆきも『その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ 「責任」も「リソースの消費」も背負わぬ者に おまえのオールをまかせるな』と歌っている。 俺達には中島みゆきがついているんだ。 勇気が出るだろう?

2025-06-06

【書評】Java言語で学ぶデザインパターン入門 第3版

概要 デザインパターンの勉強をしたいと思ったので『Java言語で学ぶデザインパターン入門 第3版』を購入した。 転職先で未経験のJavaを扱うことも決まっていたので、Javaとデザインパターンを同時に学べるのは一石二鳥だと思い即決。 今回はその感想を書いていく。 #PR Java言語で学ぶデザインパターン入門 第3版 楽天 良かった点 1. わかりやすい 本書は説明が豊富で、章ごとに考え方のヒントやクラスの役割などが丁寧に解説されている。 特に豊富なUMLが理解を大幅に手助けしてくれた。 余談だが、自分は新卒1年目のときに『オブジェクト指向設計実践ガイド』という書籍を読んで、その内容の難しさに挫折してしまったことがある。 本書と『オブジェクト指向設計実践ガイド』は趣旨の異なる書籍だが、テクニック自体は共通している点も数多くある。 本書はかなり説明が分かりやすく、Javaの継承やインタフェースさえ理解していればスラスラと読み進めることができるので、本書を中間セーブポイントとして利用することによって『オブジェクト指向設計実践ガイド』の内容も理解できるようになるのではないかという気がしている。 また機会があれば『オブジェクト指向設計実践ガイド』にも挑戦してみたい。 #PR オブジェクト指向設計実践ガイド 楽天 2. 演習がある 本書では各章の末尾に演習問題が用意されている。 本文を目でなぞっていただけのときには気付けなかったことに演習を通して気づくことが何度もあり、かなり学びになった。 演習内容も設定がシンプルかつ面白くて、飽きずに取り組めた。 特に第23章の演習は骨太でかなり楽しかった。 デザインパターンの難しさ 本書に対する不満点は特に無いので、ここからはデザインパターン自体の難しさについて個人的に思ったことを書いていく。 1. 使い道がわからない 「これって本当に使い道あるのか?」と思ってしまうようなデザインパターンがいくつかあった。 Wikipediaのデザインパターンの記事を見ると、本書でも紹介されているGoFによる23のデザインパターンが『Code Complete』という他のデザインパターンの書籍で紹介されているのかどうかを一覧することができる。 そして、直感的に「これって使い道あるのか?」と感じたデザインパターンの大半は『Code Complete』では紹介されていなかった。 『Code Complete』は後発の書籍なので、GoFのデザインパターンの中でも特に使用頻度が高いものだけを厳選したのだと思う。 つまり『Code Complete』で紹介されていないデザインパターンは、使用頻度が低いものだと考えても問題はないだろう。 なので、本書を使ってデザインパターンの勉強をするときは、使う頻度が多そうか少なそうかでメリハリを付けて学ぶのが良いと感じた。 2. 違いがよくわからない デザインパターンの中には違いがよくわからないものがあり、「あれ、これさっきも勉強したような…」となることがあった。 そういうときは前のページに引き返して復習すればいいんだろうが、「とはいえコード自体はスラスラ読めてちゃんと理解できているし、デザインパターンのそれぞれの違いを言語化できるレベルまで理解する必要もないか」みたいに面倒くさがっている自分も存在した。 冷静に考えると、デザインパターンの凄さというのは暗黙知に境界線を引いて「この暗黙知にはこういう名前をつけます!」とラベリングし、暗黙知をエンジニア共通の知識に変えたことにある気がするので、デザインパターンの名前と内容が紐づいていない今の自分の状態は本末転倒な気もする。 これはデザインパターンのせいと言うより自分の怠惰さの問題なのだが、とはいえそもそもデザインパターン自体がMECEではない印象があり、自分以外にも違いが曖昧になっている人はかなり多い気がする。 違いが分からなくなったときに前のページに引き返せるかどうかが、私とあなたを差別化するポイントになるのではないかと思う。 まとめ かなり分かりやすく、演習も豊富で、デザインパターンの入門書としては非常に良い書籍だった。

2025-05-24

HugoにGoogle Analyticsを導入する

概要 Hugoで作成したブログにGoogle Analyticsを導入する方法を解説する。 まずPaperModに導入する方法を紹介する。 その後にPaperModに導入した際の思考の過程を紹介することで、他のテーマにも応用できるようにする。 環境 Hugo 0.146.6 PaperMod (commit 7cf752f8644fea1fc3dc7299352718d492c55182) PaperModに導入する方法 1. Google Analyticsのスクリプトタグを取得 Google Analyticsの管理画面でスクリプトタグを取得する。 タグ発行の手順は色々な方が書いてくれていると思うので今回は省略。 2. /layouts/partials/google_analytics.htmlにスクリプトタグを追加 /layouts/partials/google_analytics.htmlに取得したスクリプトをコピペする。 /layouts/partials/google_analytics.html <!-- Google tag (gtag.js) --> <script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-HTNQ9KZXWH" ></script> <script> window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag() { dataLayer.push(arguments); } gtag("js", new Date()); gtag("config", "G-HTNQ9KZXWH"); </script> <!-- End Google tag (gtag.js) --> 3. テスト 管理画面からテストボタンを実行してテストする。 緑のチェックマークが出れば成功。 以上。 思考過程 自分がどのようにして上記の手法にたどり着いたか、その思考過程を紹介する。 考え方はどのテーマでも共通していると思うので、他のテーマでGoogle Analyticsを導入する際のヒントになると思う。 1. ドキュメントを探す まず「PaperMod Google Analytics」のようなキーワードでGoogle検索をした。 PaperModの場合は適切なドキュメントを見つけることができなかったので、テンプレートをコードリーディングすることにした。 ...

2025-05-24