概要
いまさら『五等分の花嫁』を読んだ。
その感想を書いていく。
結論だけ先に言うと、途中まではめちゃくちゃ面白くて途中からは微妙だった。
盛大にネタバレも含むので注意。
1行で分かる五等分の花嫁
見た目がそっくりな五つ子のヒロイン達とその家庭教師である風太郎によるラブコメ。
ミステリー要素をラブコメに持ち込むという革新
個人的に五等分の花嫁が革新的だったのは、ハーレムラブコメというジャンルにミステリー要素を持ち込んだ点にあると思う。
従来のハーレムラブコメは、最終的に誰が選ばれるかはある程度の運ゲー要素があり、読者は好きなヒロインを応援しつつも最終的な結末は運に任せるしかないというスタンスで楽しむしかなかったと思う。
しかしながら五等分の花嫁は、物語の序盤から「風太郎は五つ子のうち誰と結婚するのか?」というミステリー要素を提示し、読者に考察させることで物語への没入感を高めた。
ここに五等分の花嫁の革新性があったと個人的には思う。
特に林間学校編は五等分の花嫁読者に本作が単なるラブコメではないことを強烈に印象付けたエピソードだった。
具体的なネタバレは避けるが、ヒロインが五つ子であるということを利用したトリックが作中に仕込まれていて、それがラストで綺麗に回収されるという巧みな構成になっていた。
林間学校編まで読んだ読者は作者のミステリー力を疑うことはなくなっていただろう。
後半に向かうにつれ雑になるミステリー要素…
しかしながら、林間学校編以降のミステリー要素ははっきり言ってズタボロだった。
いちいち指摘してもキリがないので、代表例としてスクランブルエッグ編の酷さを挙げる。
スクランブルエッグ編では五つ子の誰かが風太郎に突然キスをする。
それが誰なのかを推理するというのがスクラブルエッグ編でのミステリー要素だった。
作中で読者に提示されたヒントは2つ。
キスした子には足にあざがあった
長女の一花の足にもあざがあった
賢い皆さんならもう誰が風太郎にキスしたのかお分かりかと思う。
そう、その正体は〜〜〜〜?
…
…
…
三女の三玖でした。
いや、こんなん分かるか!!!
別にミスリード自体を否定するつもりはない。推理物では良く使われる手法だ。
ただ、ミスリードを入れるなら本物のヒントもバランスを取るために必要だろう。
せめて本物のヒント2:偽物のヒント1くらいのバランス感覚は欲しい。ミスリードオンリーは流石に厳しい。
一応、五等分の花嫁の考察サイトがいくつか存在するので覗いてみたが「ここのコマの顔が三玖っぽい」程度の考察しか無かった。
なんじゃそりゃ…。
その後もチグハグな描写は続く…
スクランブルエッグ編以降もチグハグなミステリー描写は続く。
本作のミステリーの根幹と言える「京都の子」も特に必然性のある結論ではなかったと個人的には思う。
別に五つ子の誰が京都の子でも成立するな、という程度の話だった。
振り返ってみると、正直「おっ」と思えたミステリー要素は林間学校編が最初で最後だった。
ちなみにミステリー要素は全く関係ないが、二乃の告白シーンは良かった。
まとめ
これは個人的な推測だが、作者自身も当初ここまで本作にミステリー要素を組み込むつもりは無かったのではないかと思う。
おそらく林間学校編の評価があまりにも高かったため、作者もネタ切れの中で無理やりミステリー要素を捻じ込もうとしていたのではないだろうか。
まあただ、所詮はラブコメなので、ミステリーにそこまで真摯である必要もないっちゃないのかもな。
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