信じる力
小学生の時、『金色のガッシュベル!! 友情の電撃 ドリームタッグトーナメント』というゲームにハマっていた。
このゲームにはガッシュコレクションという収集要素があり、特定のミッションをクリアしていくたびにコレクションが解放されていくというシステムになっていた。
コレクションは全部で100個あり、そのうち99個までは簡単に解放できたが、1つだけどうしても解放できないコレクションがあった。
その最後に残ったコレクションの解放条件とは、とあるミニゲームでひたすら連打して50000点を超えろというものだった。
この条件が非常に難しく、ただ連打するだけなのにも関わらず、何度挑戦しても50000点を超えることができなかった。
「もうちょっとで50000点超えれそうだったのに〜」という感じにすらならなかった。全然余裕で50000点に届かないのだ。
工夫を凝らして攻略しようと思っても、なにせ連打するだけなので工夫のしようがない。
爪を立ててゲームボーイアドバンスのABボタンを擦るように連打しては親指の皮膚を無駄に消耗するだけだった。
あまりにもクリアできないので、なにか裏技みたいなものがないとクリアできないんじゃないかと途中から疑心暗鬼になり始めた。
結局、コレクションを全部集めることはできず、しばらくの間そのゲームは投げていた。
ある日、友人が家に遊びに来たので「どうしてもこのミニゲームがクリアできないんだよね」となんとはなしに話しかけてみた。
すると友人は「いや、俺これ行けると思うけどな」と返してきた。
内心、絶対ムリムリと思っていたのが、とりあえず友人に挑戦させてみることにした。
すると、友人はあっさりとそのミニゲームをクリアしてしまった。
友人が一体どうやってこのミニゲームをクリアしたのかというと、なんてことはない、ただただ本気で連打しただけだった。
自分と同じように爪を立てて擦るようにABボタンを連打しているだけだった。
友人が正攻法であっさりとクリアする様子を見て、自分でももう一度そのミニゲームに挑戦してみた。
すると不思議なことに、あれだけ苦しんだミッションをあっさりとクリアできてしまった。
今思い返すと、当時の自分は「裏技があるんじゃないか?」「擦って連打する以外のもっと良いやり方があるんじゃないか?」のような疑念がある状態でミニゲームをプレイしていて、無意識に連打に集中できていなかったのだと思う。
このときは運良く連打に自信のある友人が目の前でクリアしてくれたおかげで、そのような疑念を打ち消すことができた。
「ただ純粋に連打すれば良い」という指針を自分の中に立てることができた。
でもこのときはたまたま運が良かっただけで、あらゆる事象において誰かが先人として道を切り開いてくれるとは限らないだろう。
自分達が選んだ方針が正解なのかどうか分からない中でも、「きっとこの方針は正しい」と盲信して全力で取り組むことで開ける突破口というのもこの世には存在しているんだろうな。
まとめ
コレクションの「かいほう」って「解放」と「開放」どっちが正しいの?
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